※本の話です。感想を書きます。
ネタバレになるので、この本を読みたい方はここから先を読まないでください
わたしのことだと思わせた本でした
著書は紀里谷和明さんです。日本の映画監督(CASSHERNとかGOEMONの作品があります)です。
名前は知っていますが本を出してるとは知らなかったです。
読み進めると頭痛くなりましたが。。。
本当に求めているものとは
第一話 成功したいあなたへ
有名なIT企業に転職した会社員、翔太が仕事でノルマを達成し
嬉しくてお酒を飲みに行った先がぼったくりバーで、(しかも飲む前に会計)反発したところ、堅気でない男の人たちにボコボコにされ倒れているところを
小劇場の紳士、支配人に助けられるという場面から物語は始まります。
翔太は支配人にどうしてこうなったのかを話始め、
そう尋ねられ
- いい車にも乗りたい、
- ハイブランドの服も着たい
- タワマンに住んでホームパーティもしたい。。
翔太はそれはそうだと力説します。
そのための努力もしている。テレビを捨てたりとか。。
すると支配人からこう聞かれます。
そこで支配人は
自分が昔翔太と同じように富に憧れ、これ以上ないほどの経済的豊かさも得たことがあること。
翔太がいう、欲しいものを欲しいだけ買える生活を送っていたことを伝えます。
でも全く豊かではないこと。あなたが想像されているような満たされた気持ちにはならなかった
そう言われても翔太にとっては到底肯定できないものでした。
支配人は全てを捨てたくなったから、いや捨てざるを得なくなったと言って家まで手放したと続けます。
理由はわからないけど、本当に必要なものは何なのか知りたかったからだと思うと。
今になって思うのは物質的に満たされることを求めていたわけでないのに、経済的強者になろうとしていた。
そんな自分に愕然として、それを鎮めるために物を捨てたのかもしれません。
そういわれて、翔太は
支配人は
「お金を持つことが悪いことだ」と言ってるわけではない、善悪などはっきり言ってどうでもよいのです。
重要なのはあなたは何を欲しがっているのかということです
これがこのお話の冒頭の部分です。
ここから、翔太が本当に欲しかったものを、支配人と話をしながら紐解いていきます
お金で隠されている本当の欲しいもの
このお話で支配人は何度も
あなたはと翔太に何度も聞き返すんですね。
このお話の主人公はここから
同性からモテている人だと思われたい(人に羨ましがられたい)
ばかにされたくない(人から下に見られたくない)
そこから、
他人と比較して自分の位置を決めていることに気づくのです
馬鹿にされたくない恥ずかしい思いをしたくない普通でいたい
翔太もこの欲求は捨てられないと支配人に言うんですね。
そして支配人に社会に洗脳されていると聞かされた翔太は初めて自分を
誰も、俺のことなんて、見ていない、見ていないのだ!と、気づきます。
誰も翔太を馬鹿にしておらず、馬鹿にしていたのは自分自身。
どうしてそれが欲しいのかわからぬまま、他人から見た自分を演じる・・・
これが第一話です。
感想
最初にも書きましたが自分のことかなというくらい、響いたものがありました。どうしても周りと比べてしまうこと。こうなりたかった自分。理想と現実のギャップ。
支配人が何度もあなたはどうなんですか?と聞くのですが、自分自身に置き換えても上手に説明できないものがあるなと感じました。当然ですよね、周りに影響された他人軸の自分が理想なんですから。
自分自身を見つめなおす、考え直すにはいい一冊でした。
この後も主人公が変わって支配人がどこからともなく現れるんですが、全てのお話刺さります・・・。
勝手に自分がつけてる足枷。気づくこともいっぱいあります。
もしよければ読んでみてください